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重ねの理

以外と電気回路でも良く聞く定理です.
重ねの理とは数多くの起電力が同時に存在する網中の各点の電位電流の分布はこれら各個の起電力が別々に1つ宛存在する場合の電位電流分布を重ね合わしたものに等しいと言うことです. 一例をあげると,以下の回路における I1 を求めてみます.
       -> I1          -> I2
     +--[Z1]--+--[Z2]---+
     |        |         |
     |        |  | I3   |
    [E1]    [Z3] V     [E2]
     |        |         |
     +--------+---------+
このとき E1 だけが存在する回路と,E2 だけが存在する回路を考えます.
       -> I1'         -> I2'           -> I1"         -> I2"
     +--[Z1]--+--[Z2]---+            +--[Z1]--+--[Z2]---+
     |        |         |            |        |         |
     |        |  | I3'  |            |        |  A I3"  |
    [E1]    [Z3] V      |            |      [Z3] |     [E2]
     |        |         |            |        |         |
     +--------+---------+            +--------+---------+
            E1 Only                         E2 Only
このとき I1' , I1" は以下のようになります.
              Z2 + Z3
I1' = E1 ----------------
          Z1Z2+Z2Z3+Z3Z1

                Z3
I1" = E2 ----------------
          Z1Z2+Z2Z3+Z3Z1
従って求める電流は電流の方向に注意を払えばこれらを重ねるだけで算出出来ます.
                 (E1+E2)Z3 + E1Z2
I1 = I1' + I1" = ----------------
                  Z1Z2+Z2Z3+Z3Z1
単純に力尽くで解くよりもこの方が楽に解ける場合もあります.覚えておくと便利な定理かもしれませんがあまり私自身は使ったことが無いですねぇ...
鳳−テブナンの定理

結構電気回路の世界では有名な定理で一回は必ず覚えるんですけど,以外と忘れるのも早くて...(^^;
さてこの定理は以下の式で示されます.
       V
I = -------
    Z + Z'
1つの回路網中の任意の2点をインピーダンス Z で接続した場合の各部電流分布は Z を接続する前の電流分布と回路網中の起電力は全部これを取り除き, Z を接続すべき2点間に Z と Z を接続する前に2点間に現れた電位差に等しい起電力とを直列に挿入した場合の電流分布とを重ねたものに等しい.
いまいち言っていることが分かりませんねぇ..(^^;;

例えば一例としては下記の様な回路(a)の各インピーダンスにおける電流を解くことを考えます.

      -> I1
    +--[Z1]--+--[Z2]--+
    |        |        |
 +--+       [Z5]      +--+
 |  |        |        |  |
 |  +--[Z3]--+--[Z4]--+  |
 |                       |
 +----------[E]----------+
この回路を Z5 を接続しない回路を考えます(b).またこの Z5 を接続しない回路にある回路を重ねることで元の回路になる様な回路(c)を考えます.
(b)                                 (c)
     -> I1'                               -> I1"
    +--[Z1]-----[Z2]--+                 +--[Z1]--+--[Z2]--+
    |        |        |                 |        |        |
 +--+        V        +--+           +--+       [Z5]      +--+
 |  |        |        |  |           |  |       [V]       |  |
 |  +--[Z3]-----[Z4]--+  |           |  |        |        |  |
 |                       |           |  +--[Z3]--+--[Z4]--+  |
 +----------[E]----------+           +-----------------------+
計算としてはこの (b) と (C) の各々の回路を計算し重ねることで (a) による各インピーダンスの電流を求めることが出来ます.
                     E      Z2(Z2Z3-Z4Z1)      Z2Z3+Z3Z4+Z4Z5+Z3Z5
  I1 = I1' + I1" = ------ + ------------- E = -------------------- E
                   Z1+Z2     (Z1+Z2)α                α

α = Z5(Z1+Z2)(Z3+Z4)+Z1Z2(Z3+Z4)+Z3Z4(Z1+Z2)
この I1 を (a) の回路だけで解こうとすると複雑な連立方程式を解くことになりますが,鳳−テブナンの定理を使うことで計算を簡単にすることが出来るわけです.
気合いのある人は I2 , I3 , I4 , I5 についても解いてみてください(^^)


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