Unsharp Masking
画像の鮮鋭化の一般的な手法として Umsharp Masking (UM)(アンシャープ・マスキング)処理があげられます.
この手法は写真の分野ではもとの画像からぼけた画像を引く操作を行うことで知られています.
このとき UM は以下の式で示されます.
y(i,j) = s(i,j) - h[ s(i,j) ]
このとき h[] は Laplacian 処理を示します.
1次元の信号では以下のようになります.
+-------
/
/ 【原信号】
/
------+
+ 【Laplacian】
------+ + +-------
+
+
-------
/
/ 【UM 処理】
/
------
+
UM はエッジの存在する部分のコントラストを増加させる効果を持ちます.
従って UM 処理により画像の劣化を弱める効果を持つことが分かります.
欠点としては雑音が重畳された画像の場合,雑音部も強調されてしまう操作をする点です.
しかしながら最近雑音を強調しないようにする UM の拡張処理などが研究されたり,雑音をフィルタリング処理しながらエッジを強調する処理などが研究されています.
文献
- 長尾 真,A.Rosenfeld,”ディジタル画像処理”,近代科学社,1978
- Ramponi,”A Simple Cubic Operator for Sharpening an Image”,Proc.IEEE Workshop on Nonlinear signal and Image Processing,pp963-966,1994.
- 木村誠聡,田口 亮,”ファジー推論を用いた雑音が重畳された画像の強調に関する一手法”,第12回ディジタル信号処理シンポジウム講演論文集,pp.,1997
- S.Guillon,P.Baylou,M.Njim,”Robust Nonlinear Contrast Enhancement Filter”,Proc.IEEE Workshop on Nonlinear signal and Image Processing,pp757-760,1996.