EMC/EMI/VCCI

【EMI/EMC/VCCI】


仕事柄良く電磁波障害試験を行う機会が多いいのですが,あまりにも特殊な環境で行うため,それなりに行うチャンスはエンジニアと言えども多くないのが実状です. さてここでは私の数少ない経験ではありますが,電磁波障害試験について書いてみたいと思います.
そもそも電磁波障害とはなんでしょうか?
電磁波障害が起こると身近ではTVの写りが悪くなるのは一般的に知られている現象です.
昔のコンピュータなどをTVの近くにおいておくとTVに雑音や見にくくなる現象が見られますが,これは電磁波障害の一種です.
そのほかとしては医療機器の誤動作,とくにペースメーカ等の誤動作や,飛行機での計器の誤動作などは広く知られております.
最近は携帯電話やPHS等の電波で医療機器が誤動作することも知られていますが,電波を使う以上これは仕方がない現象かもしれません.このような場所では使わないようにするしかありませんが,コンピュータ等の機器は使わないと言うわけにはいきません.そこで機器から出る電磁波を調べてある水準以下の電磁波であれば家庭等で使っても支障が無いですよと言う基準が国際的に勧告されています(国際電気標準会議(IEC)の国際無線障害特別委員会(CISPR))
アメリカではFCC(連邦通信委員会)により法律化されており,ヨーロッパではEC指令というEC諸国に対する指令により,ヨーロッパ各国がそれぞれに法律を作っています.
日本ではVCCIという団体が自主規制を行っています.VCCIは情報処理装置等電波障害自主規制協議会と堅苦しい名前の略ですけど,日本においては情報処理に関する電波ノイズに関する技術的な指針を出し,種々のメーカが会員となり自主規制をしている団体です.
現在の日本の法律では電磁波障害に関しては無く,唯一このVCCIが管理しているに過ぎません.つまり電磁波を出す情報処理機器があってもVCCIの会員でなければまったく電磁波障害を考慮することなく製品を出すことが出来ます.これは非常にまずいことで,電磁波をまき散らす製品があると他人が購入すれば自分が被害に遭う可能性が非常に大きいのです.
できれば消費者の皆さんにはVCCIをクリアした製品を買っていただくのが一番だと思います.
エンジニアは日々EMC対策に追われる様な製品開発を行うのが最近の情報処理機器の開発現場でしょう.つまり試験,試験...対策そしてまた試験の日々です (^^;;


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